禅林世語集より



  「禅林世語集をぱらぱらめくりながら、主観で好きな句を選びました。どうぞ味わって下さい。」

 明日ありと思う心の仇桜
       夜半に嵐の吹かぬものかは


                  −−−親鸞上人−−−



 となうれば 仏もわれもなかりけり
        南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏


                    −−−一遍上人−−−


 春は花 夏ほととぎす
        秋は月 冬雪冴えて 冷しかりけり

                      −−−道元禅師−−−


 世の中の人人皆が佛なら
          釈迦も達磨も腹は立つまじ

 世の中は食うて稼いで寝て起きて
       さて其の後は死ぬる許りぞ


 世の中は生死の道に伴はなし
       ただ淋しくも独去独来


 今日ほめて明日あしく言う人の口
         泣くも笑うも嘘の世の中


                      −−−一休禅師−−−


良寛に辞世があるかと人問わば
       南無阿弥陀仏と言うと答えよ


形見とて 何か残さむ 春は花 夏ほととぎす 秋は紅葉ば

裏を見せ 表を見せて 散る紅葉


                      −−−良寛和尚−−−


 よしや身は武蔵野の野辺に朽つるとも
        留めおかまし大和魂


                      −−−吉田松陰−−−


 八百の嘘を上手に並べても
      誠一つにかなわざりけ

                     −−−拙堂和尚−−−


 生きなが死人となりてなり果てて
              思いのままにする業 ぞよき


                    
−−−至道無難禅師−−−