文学名言集 |
吉行淳之介 |
この作家は女性について考えるとき、かなり参考になる意見を言っています。この作家の小説はいろいろ読みましたが、おもしろかったです。
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恋愛論風ノート | 時代が後になるほど、恋愛というものの人生における比重が、軽くなってきているようである。これは、一つには、恋愛というものに対しての考え方が変わってきていることにも原因がある。恋というものが二人の精神と精神の間にもやもやとかもし出される濃密な靄のようなものから、肉体ではっきり割り切れるものに移行してきている、そのことが原因となっているものともいえる。 |
人生論風ノート | 男は女の本性を知り尽くした上で結婚するのが最上の策ということになる。だから、女がきれいに見える時期にはけっして結婚してはならない。というのが、女の選び方の第一段階である。 |
『猥談は音楽に似ている』 | |
ボードレールに、『猫と女は呼ばないときにやってくる』 | |
面白半分のすすめ | 女性は楽器であって、弾き手によって、良い音色も悪い音色も出すものだ、というタトエがある。 |
「恋」というものは、不安定な状態に置かれていると燃え、安定した状態がつづくと崩壊する構造をもている。 | |
女性に対して戦果をあげている男性というのは、いわゆる二枚目ではない。三枚目風の、チャランポランとしていて、つるりと女の尻を気軽に撫でることのできる男性こそ、じつは赫々たる戦果をあげているという人物だ、ということは厳然とした事実なのである。 | |
やはり青年は褒めるべきである。 | |
それにしても、わいせつ文書を読んで、身をあやまったという人間が、いったい存在するものだろうか。また社会全体からみて、どれだけの影響力があるというのだろうか。俗悪マンガを読んでダメになった子供がいないと同じに、猥本を読んでダメになった青少年がいるのを聞いたことがない。 | |
萩原朔太郎 |
たいていの学生は、教科書について考えて居る。宇宙に於いてこれほど乾燥無味の書物はないと。けれどもまた、必ずしもそうでないと言う日が来るであろう。彼らにして学校をやめ、今一度、試験の心配なしに読んだならば! |
げに都会の生活は非人情であり、そしてそれ故に、遙かな奥床しい高貴な道徳に適っている。 | |
三島由紀夫 「潮騒」 |
孤独が、彼らから、人間の悪意を信じたりする気持ちをすっかり失くしてしまった。 「悪意は善意ほど遠路を行くことはできない」 |