哲学思想分野名言集 |
三木 清 | 抜 粋 文 |
パスカルにおける人間の研究 | 動性こそ人間存在のもっとも根本的なる規定である。人間とは運動せる存在である。 |
問いは運動である、問いに動かさるる人間の状態は不安である。 | |
情念の生に対する優越なる意味は根本的には我々が運動的存在であるところに存すると考えられねばならぬ。この情念を断念し否定することは生そのものを断念し否定するゆえんである。 | |
恐怖と不安とは自覚なる生、たえず自己に還りゆく生にとって常態である。 | |
人間の研究にとっては、形式的なる秩序は偽りの秩序であって、寧ろかかる秩序なきことが真の秩序である。なぜなら人間の存在は、その根本的なる規定において、形式的なる秩序を容れることができないからである。 | |
技術哲学 | 人間存在の本質は超越である。彼は環境に対しても超越的である。彼は自己自身をも超越することができる。この超越によって初めて人間は主体であり、およそ人間である。自由とか自立とかもこの超越においてのみ考えられる。 |
ゲーテにおける自然と歴史 | 希望によって存在は完成に到達しうる、とゲーテは考えた。 |
マルクス主義と唯物論 | 「初めに行為があった。」(Am Anfgang war die Tat) それゆえに人間は思惟する前に行為していた、ー−−−−これがマルクス主義的唯物論の根底である。 |
湯川秀樹 科学と人間 |
−むだということ− そもそも人間の活動の中に、果たして、「むだ」に終わるかどうか的確に予知できない要素が多分に含まれていること自体が、人間の生き方、考え方に本質的な意味をもっているのではなかろうか。 |